こんにちは、板橋ステーション歯科の茂木です。
だんだん肌寒くなり、寒暖差もあり、お身体を崩しやすい季節となりました。
今回は風邪を引きにくくするためのお話をしたいと思います。
皆さんは、“歯周病菌”という言葉を一度は耳にした事がありますでしょうか。
お口の中には数百種類の細菌がいると言われていて、“歯周病菌”は10~20種類とされています。
歯周病にかかると、“歯周病菌”の数が時には1000倍以上に増えるといわれるのです。
では、“歯周病菌”の栄養源とは一体何なのか。
“歯周病菌”の栄養源は歯と歯肉の間、いわゆる“歯周ポケット”と呼ばれる溝の歯肉から出る“アミノ酸”といわれています。
他にも、唾液の中に含まれている“アミノ酸”、食べ物と一緒にお口に入ってくる
“ショ糖”や“ブドウ糖”、“果糖”も栄養源といわれているのです。
“歯周病菌”は細胞分裂して増殖していくといわれています。
お口の中は温かくて、温度と栄養源が豊富なため、“歯周病菌”にとって繁殖しやすい最適な場所なのです。
歯周病が進行して、“歯周ポケット”が深くなると、“歯周病菌”にとってさらに繁殖しやすい環境となります。
そして、近年この“歯周病菌”がウイルス感染に影響しているのでは?といわれています。
新型コロナウイルスの感染を心配されてる方が多くいらっしゃると思います。
ただ、今のところ新型コロナウィルスに特化した予防データがないのが実状です。
ですので、今回はインフルエンザウイルスでのデータを元に、お伝えしていきたいと思います。
実は、“歯周病菌”は体内にインフルエンザウイルスが入るのを手助けしているのです。
インフルエンザウイルスは体内に侵入するのに粘膜を破壊する必要があります。
粘膜を破壊する為に“酵素”を出しています。
“歯周病菌”は、この“酵素”を活性化させているのです。
“歯周病菌”に手助けされて侵入したウイルスは、増殖していき、症状を引き起こします。
研究データによると、インフルエンザだけでの感染よりも
インフルエンザ+“歯周病菌”の方が感染は早くなることがわかっています。
“歯周病菌”は、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊の中にいます。
朝起きた時に歯がヌメヌメするのは細菌が増殖しているからなのです。
当然、歯ブラシで歯を磨くことは重要ですが、歯ブラシだけだとお口の中の汚れの約60%しか取れません。
約40%の汚れが、毎日歯ブラシをしても残っているということになります。
そこで必要なのが“フロス”や“歯間ブラシ”を使うこと、そして歯科医院で磨き残しや歯石を取り除くことなのです。
“フロス”や“歯間ブラシ”を使うことで、全体の約80%の汚れ(歯垢)が取れます。
一般的に歯磨きだけでは汚れの取り残しが約20%~40%程度あります。
当院では歯磨きの指導を受けることもできますので、お気軽にご相談くださいませ。
新型コロナウイルスは元より、風邪やインフルエンザなどにもならないことが大切ですね。
こんな時だからこそ、いつも以上にお口をキレイに保って感染を予防するように心がけましょう。
そして、新型コロナウイルスの感染で心配な方へ、ウイルスや細菌に感染しにくくなる方法をお伝えしたいと思います。
体の中でウイルスと戦う免疫細胞と腸内環境です。
免疫とは体内に侵入したウイルスや細菌と戦う防御システムのことをいいます。
実際にウイルスと戦うのがウイルス細胞です。
この免疫細胞がいるところがどこかご存知でしょうか?
実は約7割が腸にいるといわれているのです。
免疫細胞は腸から血液にのって体中をめぐり、ウイルスなどの外的から私たちを守ってくれています。
つまり、免疫を高めるためには、より良い腸内環境にすることが大切なのです。
人間の腸には1000種類以上の細菌がいます。
この腸内細菌バランスが悪くなると免疫にも影響してきます。
では、腸内環境を整えるにはどうしたら良いのか、重要なポイントだといわれている3つをご紹介したいと思います。
ウイルスに負けない体作りの参考にしてみてください。
- ヨーグルトや納豆など発酵食品を摂取する(発酵食品内の善玉菌を食事で取り込む)
- 野菜や海藻、キノコなどで食物繊維を摂取する(食物繊維は善玉菌のエサとなり、善玉菌を増殖させてくれる)
- 適度な運動をする(無理のない範囲で適度な運動を心がけましょう)
ご自身の歯を長く残すことは、正しい食生活をするためにも大切なことです。
良い腸内環境をつくって、免疫力を上げていきましょう。
※今回ご紹介したのは、一般的な感染予防であり新型コロナウイルスに特化した予防ではありません。