こんにちは、板橋ステーション歯科の歯科衛生士の鎌込です。
今回は女性ホルモンと歯周病についてお話しさせていただきたいと思います。
女性のほうが男性より、平均寿命が長いです。
しかし、歯の寿命は男性より女性のほうが短いのだそうです。
最近の研究では、歯周病の悪化には、女性ホルモンの関与が大きいことがわかってきています。
女性ホルモンには、ある特定の歯周病菌の増殖を促したり、歯周組織の炎症を悪化させたりする作用があるのです。
女性ホルモンの分泌はライフステージによって変化していきます。女性の場合は加齢などの変化だけではなく、ホルモンバランスが大きく変化するために、歯周病になりやすい時期がいくつか訪れます。
こういった、女性特有の歯周病のリスクをしっかり理解して、適切にケアしていくことが必要になってきます。
どのような時期に、どういったケアが必要なのかお話しさせていただきます。
■思春期
最初の大きな変化は思春期です。
思春期に分泌されるホルモンには、歯石や炎症反応を増幅させるように働くものがあるのです。
突然に、分泌量が増えるとわずかな刺激にも大きな反応を示します。
心身ともに敏感になり、過剰に口臭を気にしたりするとこもあります。
また、摂食障害やこの時期に無理なダイエットは中高年以降に歯の影響があります。
■妊娠・出産期
ここ時期には、30〜70%の人に歯肉炎がみられると言われています。
妊娠によって免疫応答の変化が、歯周組織に過剰に影響をもたらしたりします。また、食事の好みが急激に変化したり、間食が増えたり、つわりなどで口の中が酸性に傾きやすくなり、虫歯のリスクも増えます。
また、吐き気や体調不良で歯磨きもしづらい状態になるので、洗口剤を使ったり、歯科クリニックなどでクリーニングを受けたりするといいでしょう。
■中年期
家事や、育児などにより家族中心の生活で自分自身のケアがおろそかになってしまったり、後回しになりがちになります。また、仕事が忙しかったり、様々なストレスにさらされることもあるので、定期な検診を受けてケアすることが大切です。
■更年期
この時期は、女性ホルモンが低下します。
更年期障害により唾液が減少しドライマウスに陥ります。唾液の分泌が減少することで口臭や、歯周病のリスクが高くなります。また、知覚過敏や味覚障害、舌が黄白くなるとの症状も出ることもあります。
そして、全身においても骨密度の低下や免疫力の低下などがあり、この時期は口の中が危険な状態になるため注意が必要です。
いずれの時期にしても定期的に検診を受けて、適切なケアをしていくことが大切です。